ホーム > コラム > HSPとミニマリスト HSPとミニマリスト 周囲の環境に敏感で心が疲弊しがちなHSP。「生きづらさ」を改善するのにミニマリストな暮らし方が役立つかもしれません。 HSPとは HSPは「ハイリー・センシティブ・パーソン(Highly Sensitive Person)」の頭文字を取った言葉。もともとはアメリカの心理学者エレイン・N・アーロンが提唱した「気質」を表す概念です。気質は、生き物が生まれつき持っている刺激への反応の傾向のこと。 アーロンによると、HSPの気質を持った人はそうでない人より刺激に敏感で不安や恐怖といった感覚を持ちやすいそうです。一方で、相手の気持ちにこまやかに配慮したり一つのことを深く追求したりできるのもHSPの特徴。 良い意味でも悪い意味でも環境から受け取る情報に影響を受けやすい(環境感受性が高い)のがHSPです。 最近ではHSPはアーロンの提唱した定義を越えて「生きづらさを抱える繊細な人」を意味する言葉として一般に定着しています。 現代社会の生きづらさ HSPを自認する人の全てが実際にHSPなのかはわかりません。ある人をHSPかどうか判断するための明確な医学的・心理学的指標が定まっていないからです。 にもかかわらず多くの人が「自分はHSPかもしれない」と感じるのは、現代社会が人間にとって生きづらい環境だからかもしれません。 周囲の環境に高い感受性を発揮するHSPでなくとも、物や情報があふれかえる現代においては周りから影響を受けないように生きるのは困難です。それでいて周りに流されるだけの生き方はその人の心にストレスを蓄積します。 HSPは持って生まれた気質であり、病気や症状ではありません。「HSPだから生きづらい」「HSPの気質をなんとかすれば楽に生きられる」といったものではないのです。 つまり、根本的な問題はHSPではなく「生きづらさ」の方にあるのではないでしょうか。 「生きづらさ」を断捨離するミニマリスト HSPの人もそうでない人も、できるだけ「生きづらさ」は避けたいもの。必要最低限のものだけで暮らすミニマリスト的な生き方ならそれが実現できるかもしれません。 生きづらさの原因の一つは環境からのネガティブな影響です。もっと言うと「ネガティブな影響を受けてしまうのにその環境から離れられない」状況が問題。 ミニマリストは「自分にとって本当に必要なもの」を判断して日々断捨離に励みます。基本的には断捨離するのは物ですが、情報や人間関係を断捨離する考え方もアリです。 また、まずは物の断捨離から始めてみて、慣れてきたら情報・人間関係を断捨離するのもいいと思います。 物事を取捨選択する経験が少ないから「ネガティブな環境から離れられない」という人にはミニマリストの生き方がマッチするはずです。 全ての人の生きづらさがミニマリスト生活で改善するとは考えていません。けれど、周囲の環境からの影響を離れて自分らしく生きるために、ミニマリストの生き方が役に立つ可能性はあると思います。 物・情報・人間関係のしがらみが過剰で疲れてしまった時には、ミニマリストな暮らしで一休みしてみてはいかがでしょう。 コラム